マインドフルネスは、(非常に大まかに説明すると)瞑想等の手法を用いて、今・ここに集中し、精神の安定を図る(幸福感を向上する)心理療法と言えます。
以前から、がん性疼痛や慢性の腰痛等、鎮痛薬の効果が限定的な痛みに対してもマインドフルネスが有効であることが指摘されています。
今回は、マインドフルネスが痛みの感じ方に対してどのような影響を与えるのか、神経信号を用いて調べた研究をご紹介します。
Neural Signatures of Pain Modulation in Short-Term and Long-Term Mindfulness Training: A Randomized Active-Control Trial
長期・短期のマインドフルネス・トレーニングによる疼痛軽減
115人の健常者をマインドフルネスのグループ28人、健康促進プログラムのグループ32人、何もしない待機グループ31人に分けました。
上記3つのグループで、痛み課題に対する反応を神経信号(neurologic pain signature : NPSやstimulus intensity independent pain signature–1: SIIPS)や主観的尺度で比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・マインドフルネスのグループでは、健康促進プログラムや待機リストに比較して、痛みの反応が小さくなっていました(例:マインドフルネスの方が、健康促進プログラムに比較してNPSが明らかに低下しており、差異の目安Cohen’s d=−0.43でした。ちなみにdが0.2で小さな差、0.5だと中ぐらいの差と考えることが多いです)。
・マインドフルネスと健康促進プログラムでは主観的な不快感が、待機グループに比較して中ぐらいの差で低下していました。
要約:『マインドフルネスを行うと、何もしなかったり、他の心理的教育を行ったりするよりも、痛み刺激に対する反応を小さくできる』
実生活で大きな違いとして現れるかは不明ですが、少なくともマインドフルネスを行うことで、痛みの感じ方が客観的にも異なることが示されていました。
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