日本におけるうつ病治療は薬物治療が中心ですが、複数の抗うつ薬を使用しても十分な効果がなく「治療抵抗性」と言われたり、部分的にでも長期間症状が継続してしまい「遷延性」と言われたりすることがあります。
原因として、抗うつ薬の効き方が個人によって異なる「体質」的な側面や環境的要因の差異等が考えられます。このような場合、薬物療法だけでは精神状態を改善する上で、不十分ではないかと感じられることが多くあります。
今回は、かなり以前の論文になりますが、軽度から中等度のうつにヨガの指導がどのような効果を与えたのか調べた研究をご紹介します。
ヨガでうつ病を治療する
軽度から中等度のうつ病に罹患されている38人(平均43.4歳)が調査の対象となりました。
そのうち20人についてはヨガの指導を、あとの18人については注意コントロールの指導を週に2回、8週間にわたって行いました。
2週おきにうつ病の尺度(BDI:ベックうつ病自己評価尺度)について調べ、うつ症状の経過を調べました。
結果として、ヨガのクラスの方が明らかに症状の軽減が大きくなっていました(BDIで-9.47 vs -2.99)。
うつ病の寛解をBDIの9点未満と定義すると、寛解率もヨガのクラスで大きくなっていました。
このような結果から、すべての場合でヨガを実践するべきであるということにはならないと思われますが、少なくとも比較的軽度のうつの場合、薬物療法以外の選択肢として検討されても良いのではないかと考えました。
#うつ病 #ヨガ
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