生来性の発達障害の一部に分類されているADHD(注意欠陥多動障害)ですが、もし、日常生活で起こっている現象や行動様式のみを考えるのであれば、非常に多くの子どもが診断基準を満たす可能性があります。
診断の本来の意味からADHDと診断されるべきかはともかく、実際にADHDと診断される症例は増えており、これらは環境的要因とも関連がありそうです。
今回は、不健康な生活様式とADHDとの関連を調べた研究をご紹介します。
推奨される生活様式と注意欠陥多動障害(ADHD)
カナダにおける研究で、10~11歳の3436人について、望ましいとされている生活様式を守っているか、その後14歳までのADHDによる受診回数を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①野菜や果実、肉類、飽和脂肪酸、非精製糖の摂取、運動に関する推奨を満たしている場合にはADHDの診断が少なくなっていました。
②推奨される9つの生活様式のうち、1~3項目を満たす場合に比べて、7~9項目満たす場合は診断される割合が半分程度になっていました。(ハザード比0.42)
つまり、野菜や果実を摂取せずに、ファーストフードや菓子を食べ、運動をせずにいるとADHDと診断されることが増えるようです。
「発達障害」についてどこまで環境の要因を考えるかは検討の余地があるかもしれませんが、少なくとも健康的な生活を送ることで、長期的にはADHD的な行動は減少する可能性がありそうです。
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