ADHD(注意欠陥多動障害)では、不注意などの症状緩和にメチルフェニデート徐放剤などの中枢刺激薬が使用されることがあります。
今回は、依存性の高さが問題となることの多い中枢刺激薬と、他の薬剤との併用について調べた研究をご紹介します。
Medical use and combination drug therapy among US adult users of central nervous system stimulants: a cross-sectional analysis
アメリカにおける研究で、16~64歳の外来患者約900万人を対象とするデータベースを元に2019年10月から2020年12月の期間の記録が分析されました。
結果として、以下の内容が示されました。
・約28万人(3.0%)が中枢刺激薬の処方を受けていました。
・45.5%が1剤以上の薬剤を併用していました(24.3%は2剤以上)。
・中枢刺激薬の処方を受けている場合のうち、薬剤併用の割合は抗うつ薬47.6%、抗不安/鎮静/睡眠薬30.8%、オピオイド(麻薬製剤)19.6%となっていました。
要約:『中枢刺激薬の服用者のうち、他にも依存性が懸念される薬剤を併用している場合が半数近くに及ぶ』
適切な効果の評価、耐性形成、離脱症状のリスクを考えると、薬剤の併用は最小限となるようにする必要があると思われました。
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