双極性感情障害(躁うつ病)では長期的にみて、循環器系の合併症が多く、早期の死亡率上昇につながっています。
今回は、双極性感情障害の重症度(罹病期間など)と心拍数変動性(heart rate variability: HRV)との関連を調べた研究をご紹介します。
心拍変動性の低下と双極性感情障害の重症度との関連
双極性感情障害Ⅰ型あるいはⅡ型に罹患している53人が研究の対象となりました。
心拍変動を測定する機器を装着し、心拍数の変化の様子を記録しました。
結果として、双極性感情障害の重症度(ここでは罹病期間、エピソード数、最も重症だった期間の長さ、自殺企図の既往、精神病症状の有無、合併精神疾患の有無)を数値化した疾患による負担尺度:illness burden index (IBI) が大きいほど、心拍数の自然な変動が少なくなっていました。
つまり、“双極性感情障害が重症であるほど、自然な自律神経の調整機能(心拍の変化)が低下する”可能性が示されました。
自律神経関連の症状や先述した循環器疾患の合併にも注意しながら、双極性障害の治療を行っていく必要性を感じました。
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