昨日は、妊娠期の抗うつ薬服用よりも、うつ病自体の方が児のASD発症を増加させる可能性についてお伝えしました。
今回は、症状の幅を広げて、妊娠期のうつ・不安・睡眠障害の影響について調べた研究をご紹介します。
Maternal anxiety, depression and sleep disorders before and during pregnancy, and preschool ADHD symptoms in the NINFEA birth cohort study
妊娠前後・妊娠期の不安・うつ・睡眠障害と就学前のADHDの関連
イタリアの大規模な研究対象( NINFEAコホート)からのデータを元にした研究で、3,634人を対象としています。
不安・うつ・睡眠障害の影響を妊娠前後・妊娠中に分けて調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・妊娠前後や妊娠中を含んだ時期での影響は、不安でADHDスコア(4歳)増加が17.1%、うつで17.5%、睡眠障害で35.7%となっていました。
・妊娠中も症状を認める場合には、ADHDスコアの増加は大きく、妊娠前後のみの場合には増加は少なくなっていました。
要約:『妊娠前後を含めた妊娠期間中に、不安・うつ・睡眠障害があると、出産した児のADHD傾向が高くなる可能性がある』
必ずしも日常生活に影響を与えるような診断レベルのADHDではないかもしれませんが、特に妊娠中の精神症状は、出産した児のADHD傾向を増加させる可能性が考えられました。
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