今回は子どもの不安に対する抗うつ薬(SSRI)と認知行動療法の有効性について調べたメタ・アナリシス(複数の研究を合わせて分析したもの)の結果を紹介させてください。
Comparative Effectiveness and Safety of Cognitive Behavioral Therapy and Pharmacotherapy for Childhood Anxiety Disorders A Systematic Review and Meta-analysis
子どもの不安に対する認知行動療法や薬物療法の比較
115の研究に含まれる7,719人(平均9.2歳 女子が55.6%)が分析の対象となりました。
結果として以下の内容が示されました。
①抗うつ薬(SSRIやSNRI)と認知行動療法の療法が子どもの不安に有効であった(例:SSRIに関する寛解率の相対的割合は2.04)。
②認知行動療法+セルトラリン(抗うつ薬の一つ)の効果は、それぞれの治療法単独よりは大きくなっていた。
また、上記に加えて薬物療法では吐き気や頭痛などの副作用が増えていましたが、重篤なものはありませんでした。
結果をみて、子どもの不安症状に対して、もっと抗うつ薬を使うべきということではないのですが、少なくとも抗不安薬などよりは、安全性が高く有効であるとた評価されているようです。
重篤な子どもの不安では、慎重に薬物投与を検討することもあり得ると思われました。
#不安 #児童思春期
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