◎要約:『心不全に伴ううつ病には、行動を活性化する心理療法が薬物療法と同じくらい効果がある』
心不全がある場合にはうつ病の合併率が高くなり、50%程度になるという調査結果(有病率52.4%、重症は11.6%)もあるようです。
今回は、心不全に伴ううつ病に対する心理療法と薬物療法の効果を比較した研究をご紹介します。
Comparative Effectiveness of Psychotherapy vs Antidepressants for Depression in Heart Failure
A Randomized Clinical Trial
心不全に伴ううつ病に対する心理療法と抗うつ薬の効果比較
心不全の診断を受けている患者(外来・入院を含む)416人(平均60.71歳、58.4%が女性)が対象となり、ランダムに半数ずつと心理療法と薬物療法に振り分けました。
心理療法は、行動の活性化を含むもので、各患者が楽しめる活動を行うように促されれます。
結果として、以下の内容が示されました。
・心理療法と行動療法との両方でうつ症状は半分程度に減少し、明らかな相違はなかった(経過観察12ヶ月まで)。
・心理療法を受けたグループでは、身体的健康に関連する生活の質の改善、救急受診や入院日数の減少を認めました。
うつ症状の改善だけではなく、僅かな差でも生活の質などの改善につながる点で、行動活性化の意義が大きいと感じられました。
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