明らかな異常がないにも関わらず、重篤な疾患にかかってしまっているという心配を常に抱き、日常生活に支障をきたしている病態について、“心気症(病気不安症 Hypochondriasis)”と呼ばれることがあります。
今回は、心気症がある場合とない場合で、どのように死亡率が異なるのかを調べた研究をご紹介します。
All-Cause and Cause-Specific Mortality Among Individuals With Hypochondriasis
心気症における全体の、原因別の死亡率
スウェーデンにおける研究で、心気症に罹患している4,129人(56.7%が女性、診断された平均年齢34.5歳) と人口統計的な要素を合わせた心気性のない41,290人が対象となりました。
心気症のある場合とない場合について、死亡率の比較を行いました。
・他の要素を調整して比較した場合、心気症のある場合には(原因を問わない)死亡率の上昇を認めました(死亡率1.69倍)。
・心気症のある場合の死亡率の上昇は自然死(ハザード比1.60倍)と非自然死(ハザード比2.43倍)の両方で認めました。
・心気症がある場合の、自殺による死亡率は特に高くなっていました(ハザード比4.14倍)。
要約:『心気症がある場合には、病気で亡くなる場合も、自殺などの死因による場合も、両方で死亡率が上昇する』
病気についての慢性的な不安を抱えることが、広く身体的・精神的な影響を与えることが感じられる内容でした。
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