希死念慮、自傷、自殺(自死)を含むself-injurious thoughts and behaviors (以下、SITBs) は低年齢化の傾向にあると言われています。
今回は、前思春期(女子は10~12歳、男子は11~13歳)におけるSITBsについて調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。
子どもにおける自殺(自死)・自傷の有病率と関連事象
前思春期のSITBsをテーマとして含む58本の研究(626,486,590人の参加者)が分析の対象となりました。
結果として、以下のことが分かりました。
①前思春期を通して有病率は希死念慮15.1%、自殺企図2.6%、自傷行為6.2%となっていました。
②性別は男性、不適切な養育(マルトリートメント)、ADHD、うつ病が危険因子としてあげられました。また、両親のサポート(希死念慮に対してd = −0.34 の効果量)が保護因子として挙げられました。
つまり、“12歳くらいまでの子どもにおいても、死にたい気持ちは15%程度、自殺しようとする子は3%近くにも及び、危険因子・保護因子(両親のサポートが重要)が存在する”と言えそうです。
思春期以前の子どもにおいても自殺(自死)関連事象に対して、危険因子・保護因子に留意した対応が必要であると思われました。
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