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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

抗ADHD薬は学習上どのような効果をもたらすのか?


昨日は、コンサータ(メチルフェニデート)を服用することによって、認知上どのような効果があるのかを、課題に対する反応を調べることで検討した論文を紹介しました。


注意(集中力)を向上するのか? 難しい課題に対する動機を高めるのか? 効果の方向性に関する表現は違っていても、結局どのような生活上の影響があるのか知りたいところです。


今日は、コンサータ(メチルフェニデート)に限らず抗ADHD薬全体について、質問されることの多い学習上の効果について調べた研究を紹介したいと思います。


ADHDのある子どもにおける薬物療法とテスト結果の関連


スウェーデンにおける研究で、ADHDに罹患した930人(平均22.2歳、493人が男性)が対象となり、保険情報と様々な入学テストが資料として分析されました。


結果として、個人の中で薬物療法を使っている時期の方が明らかにテストの点が高いことが示されました(平均4.8/200ポイントの差)。

上記のような結果を見て、それだったらテストのある時期には一応抗ADHD薬を飲んでおいた方が良いと考えられる方が多いような気がします。


しかし、昨日もみたように、効果が認められるのは実際にドーパミン等の物質代謝における異常が存在する場合のみであり、適応を見誤るとかえってパフォーマンスが低下する可能性もあります。


そもそも、抗ADHD薬は成績向上のためではなく、生活全般における支障が生じている場合に使用できる薬剤であることに留意し、適応を慎重に検討することが結果的に患者さんの本当の利益につながると考えられました。


#発達障害 #ADHD

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