以前から、慢性的な痛みに対して一部の抗うつ薬の効果が証明されており、実際の臨床でも使用されています。
今回は、効果の程度や抗うつ薬の中でも効果が明らかであるもの等を調べるために行われたネットワーク・アナリシス(直接・間接を含めた広い範囲の比較結果)をご紹介します。
Antidepressants for pain management in adults with chronic pain: a network meta‐analysis
慢性疼痛の治療に関する抗うつ薬の効果: ネットワーク・アナリシスの結果
抗うつ薬の慢性疼痛に対する効果を調べた比較対照試験の論文176本(28,664人の参加者)が分析の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・デュロキセチンが最も証拠が強く、50%以上の疼痛の軽減が生じる可能性について中等度の証拠(参考として、オッズ比1.91倍)がありました。
・次に証拠として強かったのはミルナシプランで、やや弱いですが疼痛軽減の証拠がありました。その他、ミルタザピンについては、疼痛に付随する気分などの要素に関しては効果がありました。
要約:『抗うつ薬の慢性疼痛に対する効果は、デュロキセチンで効果を認め、次にミルナシプランで効果のある可能性が高い』
今後も慢性疼痛についてはサインバルタ(デュロキセチン)は比較的証拠のある治療として選択可能であると思われました。
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