慢性の痛みに対して、通常の鎮痛薬以外に有効な選択肢として抗うつ薬が処方されることがあります。
今回は、抗うつ薬の痛みに対する有効性について複数の論文を調査した結果(システマティック・レビュー)をご紹介します。
Efficacy, safety, and tolerability of antidepressants for pain in adults: overview of systematic reviews
この文献調査では156の臨床試験(25,000人以上の参加者)が対象となりました。
8種類の抗うつ薬と、22の疼痛が生じる状況、42の(効果に関する)比較が含まれていました。
結果として、以下の内容が示されました。
・42の比較のうち、11で抗うつ薬が有効であるとの結果が得られていました。
・効果についての例として、抗うつ薬のうち、SNRIと呼ばれる種類の腰痛に対する効果は100段階で-7.3、術後痛-7.3、神経障害性疼痛-6.8等となっていました。
要約:『痛みに対して抗うつ薬が有効であるという比較の結果は少なく、多くの場合に明らかな改善を認めるとは言い難い』
臨床的には、すでに慢性疼痛に多くの処方がなされていますが、有効性については痛みの性状や領域、抗うつ薬の種類によっても異なり、慎重に効果の判定を行うべきであると思われました。
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