抗うつ薬による副作用として“アクチベーション(賦活症候群)”という望ましくない行動の活性化が知られています。
今回は、抗うつ薬の中でも使用されることの多いSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)について暴力犯罪との関連を調べた研究をご紹介します。
様々な年代におけるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と暴力犯罪の関連
スウェーデンにおける研究で、15~60歳にわたる様々な年代の合計785,377人が調査の対象となりました。
結果として以下の内容が示されました。
①15~24歳(1.19倍)、25~34歳(1.16倍)においてSSRI使用による暴力犯罪のリスク上昇がありましたが、他の年代では認められませんでした。
②個人の中でも、SSRIで治療を行っている期間では暴力犯罪のリスクが上昇していました。(例:全ての年代を含めた結果として、1.24⇒1.35倍と服用期間中はリスクが上昇していました)
つまり、特に若い年代でSSRIの治療による暴力発生のリスクは高くなり、それは個人内の服用期間と普段との差としても確認できる、ということのようです。
上記のような結果があるからと言って、日常生活に送るために必要な意欲を高めるための抗うつ薬投与を控えるのは過剰な反応と思われますが、特に若い世代における暴力の発生には一応の注意が必要であると思われました。
#うつ病 #抗うつ薬
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