ペットの存在によって、不安やうつが軽減することが指摘されてきました。
今回は、救急でしばしば認められる痛みの訴えを含めて、犬と接することが有効か調べた研究をご紹介します。
救急におけるセラピードッグの痛みに対する効果(比較対照試験の結果)
痛みから救急を受診した成人97人(平均59.5歳)と比較対照としての健常者が研究の対象となりました。
10分間、犬と接する前後における痛み・不安・うつ等に関して症状尺度による評価を比較しました。
結果として以下のことが示されました。
①犬と接したグループでは痛み・不安・うつ・快適さで明らかな改善を認めていました(例:今回用いたESAS-rという尺度で平均-0.9ポイントの変化)。
②犬と接することにより大きな改善(50%以上の改善)を認めた割合は 痛み:43%、 不安:48%、うつ:46%、快適さ:41%となっていました。
つまり、“(救急を受診するような強い痛みを感じている場合でも)犬と接することで半数近くの人が大きな傷みや精神状態の改善を経験する可能性がある”と言えそうです。
動物が苦手な人も多いと思われるのでどの程度一般化できるか分かりませんが、少なくとも研究の参加に同意した層(動物嫌いではないと推定される)では、このような大きな身体的・精神的苦痛の軽減をもたらす可能性が考えられました。
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