通常、抗うつ薬は(種類にもよりますが)毎日服用して、2~6週間で効果を発揮すると説明されます。
この効果発揮までの期間はうつ病治療にとって、治療を維持する上での壁になります。
今回は新しい抗うつ薬(ズラノロン)の効果を確認した臨床試験の結果についてお伝えします。
Zuranolone for the Treatment of Adults With Major Depressive Disorder: A Randomized, Placebo‐Controlled Phase 3 Trial
うつ病に罹患した成人の治療におけるズラノロンの効果
18~64歳の重度のうつ病に罹患した543人の参加者をズラノロン(毎日50㎎の服用)と偽薬のグループに分けて、2週間の経過観察を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・15日目の評価で明らかに、ズラノロンのグループで改善がおおきくなっていました(うつ病尺度HAM-Dの得点で、ズラノロン-14.1 vs 偽薬-12.3)。
・最初の3日における評価でもズラノロンの改善が大きくなっていました(同様に、ズラノロン-9.8 vs 偽薬-6.8)。
・各グループの2人ずつが副作用を経験しました(ズラノロンのグループで9人、偽薬のグループで4人が副作用のために服用を中断しました)。
要約:『ズラノロンはうつ症状の改善に有効で、比較的早期(3日目)に効果を発揮する可能性がある』
副作用も少なく、効果の早い抗うつ薬として、期待が持てる内容だと思いました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
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