新型コロナウィルス感染症(COVID-19)では、嗅覚障害が起こる場合があり、それが後遺症として長引くこともあります。
今回は、COVID-19の後遺障害として嗅覚障害があった場合に、経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)を行い、その効果を調べた研究をご紹介します。
持続的なCOVID-19による嗅覚障害に対する経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)の効果
COVID-19後6ヶ月以上経過して嗅覚障害が継続している7人の連続した来訪患者が対象となりました。
第1時点:トレーニングも電気刺激もなし
第2時点:嗅覚トレーニング+偽刺激10回終了
第3時点:嗅覚トレーニング+直流電気刺激10回終了
第4時点:トレーニングと刺激終了3ヶ月後
という各時点で嗅覚障害を調べました。
結果として、全例で第1時点から第2時点では改善を認めなかったが、第2時点よりも直流電気刺激を行った後の第3時点で嗅覚障害の明らかな改善を認めました(嗅覚の尺度では2~3倍のスコア改善度)。そして、第4時点でも効果が維持されていました。
つまり、“新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による持続的な嗅覚障害に対して、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果が大きいかもしれない”と言えそうです。
大きな規模の試験ではありませんが、嗅覚障害の大きな改善を認めており、他に有効な手段が少ない領域なので、期待を感じさせる内容でした。
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