不安にも様々なものが存在しますが、本来の不安は自分の身を守るために必要な警戒感として大切な精神状態でもあります。
今回は、PTSD、全般性不安障害、パニック障害等の病的な不安と上記のような“健康な”不安とに共通の仕組みがあるのではないかという内容の研究をご紹介します。
通常の不安と病的な不安に共通する神経生物学的仕組み
検索して収集した不安な状況でのMRI画像データによる研究です。
通常の不安状態(693人)と病的な不安状態(2,554人)について、脳の機能を調べています。
通常の場合も、病的な場合もともに左右の島皮質、前帯状皮質、内側前頭前野と言われる脳部位で活性化が起こっていました。病的な不安の中では特定の恐怖症で共通点が多く、全般性不安障害で最も少なくなっていました。
つまり、病的な不安と言っても、“健康な”不安との共通点も多く、“健康な”不安をモデルとして詳しく研究することで、病的な不安の対処や治療法も分かってくる可能性があります。
症状としては良く聞かれる「不安」ですが、神経学的な仕組みについては不明な点も多く、今後さらに詳しい理解が期待されます。
#不安
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