セラピードッグ等をはじめ、ペットが人間の精神に好影響を与えることが良く知られています。
子どもの情操教育のためにと、ペットを飼われる親御さんがおられますが、実際の効果はどのくらいあるのでしょうか?
今回は、子ども時代にペットを飼うことによって、精神疾患(統合失調症と双極性障害)の発症リスクが変化するのか調べた研究をご紹介します。
Exposure to household pet cats and dogs in childhood and risk of subsequent diagnosis of schizophrenia or bipolar disorder
子ども時代におけるペットとのふれあいと統合失調症/ 双極性障害の発症リスク
18歳から65歳の統合失調症患(396人)、双極性障害(381人)に罹患した方たちと、対照としての健常者(594人)が調査の対象となりました。
過去における(13歳までの)ペットとの接触が調べられました。
結果として、以下のことが示されました。
①子ども時代(13歳まで)に犬とふれあうことは統合失調症のリスクを低下させる(0.75倍)が、双極性障害の発症には影響しない。
②同様に猫とふれあうことはどちらの疾患にも影響を与えない。
特に出生から3歳までに犬を飼った場合には、統合失調症においてより大きな違い(0.45倍)が生じていました。
しかし、このような結果があるからと言って、無理に子どもに犬を買うような選択は望ましくないように思われます。
どのような要因に介在されて(あるいは交絡が生じて)このような結果がもたらされているのか、慎重に解釈したほうが良い結果であると思われました。
#統合失調症 #双極性障害
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