子供の頃の精神状態の悪化が、大人になってからも影響を及ぼす点については多くの指摘がなされています。
今回は、身体的影響、特に血液検査の結果についてどのような影響があるか、調べた研究をご紹介します。
発達早期における精神的健康状態と中年期の検査結果、早期死亡との関連
イギリスで1958年に生まれた17,415人が研究の対象となりました。
感情障害や問題行動が①常に低いレベル、②思春期の発症、③中等度、④常に高いレベルの4グループに分けて、中年期(44~45歳)における血液検査データとの関連を調べています。
結果として、例えば②思春期発症と④常に高いグループでは、①常に低いグループに比べて、炎症の指標としてみられることのあるフィブリノーゲンが高い値であったり、早期死亡(58歳まで)が多くなっていたりしました(ハザード比:1.878倍)。
連続性のあるものか、因果関係についても不明ですが、もし中年期以降の身体的影響の根本が発達早期にあるならば、子ども時代の精神衛生を保つ重要性がさらに人生全体の視点から強調される必要があると思われました。
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