◎要約:『眼球運動の尺度を初期診療での自閉症診断に組み合わせると、専門的な診断に一致する可能性が高くなる』
自閉スペクトラム症では人と目を合わせることが苦手と言われますが、眼球運動を測定することで診断に役立つという指摘がされてきました。
今回は、専門医ではない初期診療において眼球運動の尺度を取り入れた場合の診断精度を調べた研究をご紹介します。
Eye-Tracking Biomarkers and Autism Diagnosis in Primary Care
眼球運動による測定尺度と初期診療における自閉症診断
14~48ヶ月の子ども146人(平均2.6歳、男性71%)が対象となりました。
眼球運動による尺度での診断と、眼球運動の尺度に初期診療の医師の診断を組み合わせたときの、診断精度(専門医の診断と一致するか)を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・眼球運動の尺度を用いた時の一致率は77%(感度77.5%、特異度77.3%)でした。
・眼球運動の尺度に初期診療の医師の診断を組み合わせた場合の一致率は90%(感度90.7%、特異度86.7%)でした。
専門医の受診が困難である場合の選択肢として、このような客観的な尺度があると診断の精度が上がり、治療(援助)方針の決定に有益であると思われました。
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