統合失調症では、疾患そのものによるのか症状による二次性のものかは不明ですが、睡眠リズムの大きな乱れが、しばしば認められます。
今回は、さらに睡眠リズムの乱れが、統合失調症の症状(陰性症状)と関連しているかもしれないという内容を含んだ研究をご紹介します。
Shared and distinct abnormalities in sleep-wake patterns and their relationship with the negative symptoms of Schizophrenia Spectrum Disorder patients
統合失調症における共通あるいは固有の睡眠-覚醒リズム異常と陰性症状との関連
統合失調症に罹患した137人(入院79人、外来58人)、比較対照としての健常者113人が研究に参加しました。
1週間、加速度計をつけて睡眠と活動リズムの記録を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・統合失調症全体で活動性が低く、休養(睡眠時間)が多くなっていました。
・入院患者の場合には、休養の断片化とリズムの不整が生じていました。
・入院患者は、外来患者に比較して、活動性が低く、活動リズムが一定しない等の特徴を持っていました。
・入院と外来の両方で、睡眠-活動リズムの不整が陰性症状の重症度と関連を示していました。
要約:『統合失調症において、入院/外来患者で活動リズムに特徴があり、両方の場合で活動リズムの乱れが陰性症状の重症度に関連している』
因果関係を示している結果ではありませんが、症状の安定のためにも睡眠-活動リズムの乱れを防ぐことが役立つのではないかと思われました。
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