最適な睡眠時間については、様々な議論がありますが、多過きても少なすぎても良くないようです。
今回は、認知機能や様々な精神衛生の観点から、最適な睡眠時間を検討した研究をご紹介します。
睡眠時間と認知能力・精神衛生の非直線的関連の背景にある脳の構造と遺伝的仕組み
イギリスの大規模データ(UK Biobank)を用いた研究で、約50万人(平均56.5歳、54%が女性、平均睡眠時間7.15時間)が対象となりました。
睡眠時間と認知機能、精神状態、入手可能だった画像データ、遺伝的データとの関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①睡眠時間と認知機能やうつ・不安等の精神衛生との関連は、睡眠時間が多すぎても少なすぎても低下するカーブを描いていました。
②毎晩7時間の睡眠をとることが、認知機能や精神衛生について最適でした。
③脳の構造では、睡眠時間が最適だと認知的処理や記憶と関連する領域(中心前回、上前頭回、外側眼窩前頭皮質等)で皮質の体積が大きくなっていました。
つまり、“睡眠時間が7時間程度だと、認知機能や精神衛生・脳の構造も保たれる可能性が高い”と言えそうです。
しばしば「どのくらい眠れば良いですか?」と質問を受けますが、平均的には7時間くらいと答えるのが良さそうです。
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