生まれてからも、人間の脳には変化する力(細胞の走行やつながりが変化する可塑性:カソセイ)があることが証明されてきました。
今回は、特に1時間未満の短時間のトレーニング(ニューロフィードバック)でも、脳に対する神経走行の変化を認めたという内容の論文を紹介します。
短時間のニューロフィードバック・トレーニングに反応した構造と機能の変化
19人のボランティアをニューロフィードバック・トレーニングに、17人を偽の刺激に割当て、MRI画像上の変化を分析しました。
ニューロフィードバックとは、脳の機能的変化をモニター等で確認しながら、自分で活動を制御する方法です。(映像で確認)
1時間未満の体を動かすニューロフィードバックをした後に、画像で脳の変化(異方性と言われる脳の微細な構造変化を示す尺度を使用)を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①ニューロフィードバックを行ったグループのみで、脳の小さな構造変化(神経走行の変化)が生じていました。
②安静時における脳の感覚運動野における機能的な結合が強くなっていました。
つまり、“脳に対するトレーニングを行うと、ごく短時間でも脳の構造的変化がリアルタイムで生じる”ということです。
生まれついての能力的な傾向を大きく左右するものかは不明ですが、少なくとも微細なレベルでは、脳は日々の刺激に反応してその姿を変えているようです。
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