※度々の変更で申し訳ないのですが、2025年1月より更新(送信)頻度を週に1回(日曜日)とさせてください。
◎要約:『神経性やせ症の診断後に多くの心臓疾患のリスクが高くなり、虚血性心疾患については特に長期にわたってリスクの上昇が継続する』
今回は摂食障害の一つである神経性やせ症について心臓疾患のリスクを調べた研究をご紹介します。
Incidence and Risk of Cardiovascular Outcomes in Patients With Anorexia Nervosa
神経性やせ症の患者における心臓血管疾患の発症と転帰
台湾の健康保険データを元にした研究で、神経性やせ症の患者2,081人と健常者の対照群20,810が対象となりました。
初めて神経性やせ症の診断がなされてからの、心筋梗塞や狭心症、心不全等の心臓血管疾患の発症リスクと経過について調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・神経性やせ症の診断が行われるとその後の心臓疾患のリスクが高くなっていました(主な心臓疾患で比較すると診断ありで4.8% vs 健常対照群0.8%)。
・心筋梗塞などの虚血性心臓疾患のリスクは神経性やせ症の診断から5年以降も上昇していましたが、その他の心臓疾患のリスクは低下していました。
神経性やせ症については電解質(ナトリウムやカリウム等)の変動を含む、多くの血液成分の変化が生じることが多く、身体面での時期に応じた配慮が必要であることが感じられる内容でした。
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