現在、日本ではrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)のうつ病に対する適応が認められています。
今回は、rTMSやtDCS(経頭蓋直流電気刺激)の種々の症状(疾患)・認知機能に対する効果を調べた研究をご紹介します。
精神障害に対する神経刺激の有効性
208本のランダム化比較臨床試験に基づいて結果の分析(random effects meta-analyses)を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
①いくつか症状に対して有効な組み合わせが認められました。
例:TMSの全般性不安障害に対する効果(標準化平均差SMDで表記するとSMD=-1.8)、同様にtDCSと物質関連障害(-0.73)、TMSと強迫性障害-0.66)、TMSと単極性のうつ症状(-0.60)
②認知機能に関してもいくつか有効な組み合わせがありました。
例:tDCSと統合失調症における注意障害(-0.3)、ワーキングメモリの障害(-0.38)
つまり、“rTMSやtDCSの神経刺激は、不安・強迫・認知機能の低下等などの精神症状に有効な可能性がある”と言えそうです。
特に日本ではうつ症状に限定して実施されていますが、有効な症状の範囲の広がりを感じさせる内容でした。
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