ビタミン類の一つ(ビタミンB9)である葉酸ですが、欠乏によって貧血等の身体症状が起こることが知られています。
今回は、葉酸を服用している場合とそうでない場合で、自傷や自殺企図がどのように異なるのかを調べた研究をご紹介します。
Association Between Folic Acid Prescription Fills and Suicide Attempts and Intentional Self-harm Among Privately Insured US Adults
個人保険加入のアメリカ成人における葉酸処方と自傷・自殺企図の関連
2021年8月から2022年6月までに葉酸が処方された866,586人が対象となりました。
個人内で、葉酸が処方されている時期とそうでない時期で、葉酸処方と自傷・自殺企図にどのような関連があるのか調べました(確認のため、シアノコバラミンやビタミンB12でも調べています)。
結果として、以下の内容が示されました。
・葉酸の投与が行われている時には、行われていない時に比較して、自傷・自殺のリスクが低下していました(リスクの目安ハザード比0.56倍)。
・1mgの葉酸投与を続けた場合の、投与期間の増加に応じて、自傷・自殺リスクの低下が認められました(1ヶ月毎にハザード比0.95倍)。
・確認のために調べたシアノコバラミンでは、このような関係はありませんでした。
要約:『葉酸を投与すると、自傷や自殺のリスクが4割くらい低下する可能性がある』
保険情報に基づいた観察研究なので信頼性は低いかもしれませんが、今後の異なる研究デザインでの検証に期待が持てる内容でした。
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