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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

自死の社会的因子


◎要約:『自死に影響する社会的要素として本人または身近での司法制度関与、身近での自死、銃器入手、離婚、ホームレス状態などがあり、保護因子としては宗教、婚姻、学校との関係があげられる』






今回は、主に自死に関連する事象について、影響する社会的要因を調べた研究の分析(メタ・アナリシスのまとめ)をご紹介します。


Social Determinants of Health and Suicide-Related Outcomes

A Review of Meta-Analyses

健康と自死に関連する社会的決定因子


自死に関連する事象と社会的要因について調べた46のメタ・アナリシスが対象となりました。


結果として以下の内容が示されました。


・自殺による死亡率に影響する要素としては、司法制度の対象となった人物が所属集団にいること、他者や両親の自死、銃器の入手可能性、離婚、里親による養育、投獄からの釈放、中年期(35~65歳)の失業が挙げられました(例:投獄からので死亡率は114.5%に増加)。


・自死企図に関しては、子ども時代の虐待、不適切な養育、性暴力、性的マイノリティ、両親の自死が影響の大きな要因となっていました。


・自死企図の発生率としては、ホームレス(28.9%)、投獄された若年女性(27%)、投獄された成人(12.2%)で高くなっていました。


・希死念慮に関してはバイセクシャルの自己認識、女性におけるパートナーからの暴力が影響の強い要素となっていました。


・自死に対する保護因子としては宗教団体への所属と婚姻関係が挙げられました。


・自死企図や希死念慮に対する保護因子としては、学校とのつながり(School connectedness)が挙げられました。




全体として、自死の保護因子が様々な側面での対人関係の獲得・維持であり、危険因子がその喪失である点が印象的な結果でした。

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