自閉症スペクトラム障害では、一般的に言葉や身体的発達に遅延が認められることが多く、診断において発達歴に関する問診が重要視されています。
今回は、自閉症では、どのくらい発達が遅れるのか、具体的な期間について知ろうとした研究をご紹介します。
Developmental Variability in Autism Across 17 000 Autistic Individuals and 4000 Siblings Without an Autism Diagnosis
Comparisons by Cohort, Intellectual Disability, Genetic Etiology, and Age at Diagnosis
自閉症の個人と自閉症のない兄弟を比較した発達の遅延
4つの研究対象となる集団(Autism Genetics Research Exchange等)のデータを合わせた研究で、自閉症性の子供7,098人(平均9.15歳、80.8%が男性)が対象となりました。
他の遺伝的影響をコントロールするため、自閉症傾向のない兄弟との比較で、様々な発達の指標(微笑、座位、ハイハイ、歩行、スプーン使用、発語、文単位の発語、トイレの自立)について調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・自閉症傾向のある子どもについては、発達の指標が、0.7~19.7ヶ月遅れることが示されました。
・より長い遅延があるほど、知能の低下や、自閉症傾向以外の他の遺伝的特徴を伴いやすいこと、5歳までの比較的早期に自閉症の診断がされやすいことが示されました。
要約:『自閉症の診断がされる場合には、それまでに最大2年以上の発達遅延が認められることがあり、遅延の幅が大きいほど合併する障害も多い』
自閉症の診断において、詳しい発達歴(発達指標の現れた時期を含む)の聴取が重要であることが確認できました。
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