認知症や手術後などで認められることが多い、意識障害と精神症状を伴う状態を「せん妄」と言います。
せん妄が生じるかによって、認知症の介護の困難さや、重篤な身体的危機の予後(例えば生命の危険)等が異なります。
今回はせん妄のリスクと、血液検査によって分かるような指標との関連を調べた研究をご紹介します。
集中治療室におけるせん妄の期間と程度を予測するバイオマーカー
重篤な状態にあるせん妄を罹患した患者321人が調査の対象となりました。
結果として、炎症を示す値や神経細胞の周囲組織の状態を示す指標が、せん妄の期間や重さと関連していました。
具体的には日本での炎症の指標として良く用いられるCRPや様々な番号のインターロイキン、TNF(腫瘍壊死因子)等が含まれます。
何が最も有用なのか、関連性の具体的な内容については不確かな面も多いので、今のところ実際の臨床的方針の目安とすることは難しいと思われます。
今後、より詳細なデータが大きな規模で得られると、治療の経過を左右するせん妄をコントロールを行う上で、重要な指針となり得ると思われました。
#せん妄
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