精神科で行われている診断の大部分は、医師の症状に関する認識に依存することが多く、問診の質によって大きく診断精度も左右されると思われます。
今回は、血液検査による客観的なデータによって、気分障害の診断や経過の予測ができるか調べた研究をご紹介します。
気分障害の治療最適: 客観的評価、リスクの予測、ゲノム薬理学、薬剤の利用目的変更
26のバイオマーカー(生理学的指標)が気分の状態を調べ、今後の予測を行うための尺度として候補に挙げられました。
そして、うつや躁状態の臨床的経過(将来の入院治療を含む)の予測を行うことができるのか検証しました。
結果として、12種類のバイオマーカーがうつ病について、6種類が双極性感情障害について、2種類が躁状態について、状態把握や将来の予測に非常に強い証拠がありました。
ごく近い将来に他の身体疾患と同じレベルの検査による診断が可能というわけではないかもしれませんが、今後客観的な尺度がより重要視される可能性を感じました。
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