多くの認知能力尺度が存在しますが、長谷川式やMMSE等の簡便なものでも、主として医療従事者や援助者等による使用を前提としています。
今回は、カナダのデータを元に、自分で認知能力低下を予測するウェブ上の計算機に関する論文を紹介します。
地域で生活する人々のための認知症予測ツールの開発と検証
2001年から2012年に実施されたカナダの大規模な調査データCanadian Community Health Surveyに基づいた研究で、75,460人のデータが分析されました。
8,448人の認知症発症があり、ウェブ上の認知症リスク計算機The Dementia Population Risk Tool (DemPoRT) の正確さについて調べました。
結果として、ここで予測の正確さを示す統計量ととして用いられたC統計量が男女とも0.83(目安として0.8以上は正確)となっていました。
つまり、“ウェブ上で使える認知症予測計算機は今後の認知症をかなり正確に予測する”といえそうです。
英語版しかありませんが、比較的簡単な英文の選択肢からできており、参考になる内容であると感じました。
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