大量の飲酒と認知能力低下との関連については以前から指摘されていますが、どの程度の飲酒まで許容されるのかよく分かっていません。
今回は、飲酒量ごとの認知症リスクや飲酒量の変更によるリスクの変化を調べた研究をご紹介します。
Changes in Alcohol Consumption and Risk of Dementia in a Nationwide Cohort in South Korea
アルコール消費の変化と認知症リスク
韓国の全国レベルのデータを元にした研究で、3,933,382人(平均55歳、51.8%が男性)が対象となりました。
平均6.3年の経過期間で、ある飲酒量の維持や、飲酒量の変化がもたらす認知症のリスクを検討しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・まったく飲酒しない場合に比較した認知症リスクは、軽度飲酒(アルコール量で1日15g未満)0.79倍、中等度(15~29.9g/日)0.83倍、重度(30g以上)1.08倍となっていました。
・飲酒量の変更については、重度から中等度0.92倍、軽度の飲酒開始0.93倍、飲酒中止や飲酒増量では認知症リスクは上昇していました。
要約:『認知症リスクの低下につながる飲酒量のレベルは低く(1日アルコール30g未満)で、飲酒量の変化の仕方によってリスクの変化も異なる』
飲酒をやめたり、ずっと飲まないだけではリスクの軽減にはつながらない点は、指針として解釈が難しいところだと思われました。
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