うつ病に対する治療として、薬物療法や心理療法それぞれ単独よりも、認知行動療法と薬物療法を併用する場合の方が、治療効果が高いことが指摘されてきました。
今回は、認知行動療法(CBT)に経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を加えた場合の効果を、認知行動療法のみと比較した研究をご紹介します。
認知行動療法(CBT)に経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を加えた強化療法のうつ病に対する効果
二重盲検のランダム化比較試験の計画で、うつ病に罹患した148人(平均41.1歳)が対象になりました。
全体をCBTのみ、CBT+tDCS、CBT+偽刺激の3グループに分けて効果を比較しました。
結果として、3グループ全てで大きな改善(うつ病尺度MADRSで平均6.5)を認めましたが、グループ間の差は明らかでは有りませんでした。
つまり、“認知行動療法はうつ病に対して有効だったが、それにtDCSを加えた効果ははっきりしない”と言えそうです。
比較的信頼性の高い多施設二重盲検のランダム化比較試験の研究計画による結果でしたが、電流刺激追加の効果は明らかでは有りませんでした。認知療法に物理的刺激を加える場合の併用療法に関して、今後の検証が必要な結果であると思われました。
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