薬剤に対する反応が不十分な薬剤抵抗性のてんかん発作に対して、迷走神経刺激療法 vagus nerve stimulation (VNS) が用いられることがあります。
今回は、今回はうつ病に対して、VNSを補助的に用いた場合の効果を調べた研究をご紹介します。
A 5-Year Observational Study of Patients With Treatment-Resistant Depression Treated With Vagus Nerve Stimulation or Treatment as Usual: Comparison of Response, Remission, and Suicidality
治療抵抗性うつ病に迷走神経刺激療法を用いた場合の5年間の観察研究
4種以上の治療が奏功しなかった中等度以上のうつ病患者795人が対象となりました。
VNSを追加したグループと、通常の治療のみのグループに分けて経過を観察しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・5年間の累積反応率(症状尺度で50%以上の軽減)でVNS 67.6% vs 通常治療のみ 40.9%と、VNSを追加した場合の方が改善が多くなっていました。
・寛解率についても同様に、VNS 43.3% vs 通常治療のみ 25.7%と、VNSを追加した場合の方が寛解する場合が多くなっていました。
要約:『迷走神経刺激療法(VNS)は治療抵抗性うつ病の症状軽減に貢献できる可能性がある』
通常はてんかん発作の抑制に使われる方法ですが、通常の治療に追加する選択肢として効果が期待される内容でした。
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