◎要約:『一般の慢性疼痛においても、余暇としての運動がある場合には、運動をしない場合に比較して有病率が低くなるのかもしれない』
昨日は、がん性疼痛である場合でも、運動の習慣は痛みのコントロールに有効である可能性についてお伝えしました。
今回は、一般の大規模な人口を対象に、余暇の中で行う運動(レクリエーション運動、以下単に運動と表記)と慢性疼痛との関連を調べた研究をご紹介します。
Associations between recreational exercise and chronic pain in the general population: Evidence from the HUNT 3 study
余暇的な運動と慢性疼痛の関係
大規模な横断研究 (the Nord-Trøndelag Health Study; HUNT 3)を元にした研究で、46,533人分のデータが分析の対象となりました。
20~64歳と65歳以上のグループに分けて、慢性疼痛(6ヶ月以上持続)と運動習慣との関連について調べています。
結果として、以下のような内容が示されました。
・慢性疼痛の、全体における有病率は29%でした。
・20~64歳のグループで、週に1~3回、30分以上の中等度の運動をする場合には、運動をしない場合に比較して10~12%慢性疼痛の有病率が低くなっていました。
・運動の負荷にも影響を受けていましたが、65歳以上の女性では運動をしない場合に比較して21~38%慢性疼痛の有病率が低くなっていました(男性ではやや関連が弱くなっていました)。
高度な運動ではなくても、自分にあった負荷で運動を継続することにより、痛みの頻度や程度に良い影響がある可能性が考えられました。
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