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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

遺伝薬理学的検査で副作用の予測をしておくと抗うつ薬の副作用が減る


抗うつ薬の副作用として、初期に生じる頭痛や吐き気が有名ですが、その後にも便秘や排尿障害、発汗、眠気等の副作用が認められることがあります。


今回は、薬剤選択をする前に副作用に関する検査結果を伝えることで副作用の発生を少なくできるのか、治療の経過に役立つのか調べた研究をご紹介します。


Effect of Pharmacogenomic Testing for Drug-Gene Interactions on Medication Selection and Remission of Symptoms in Major Depressive Disorder

The PRIME Care Randomized Clinical Trial

薬物選択時における薬物・遺伝子相互反応を調べるための遺伝薬理学的検査の有効性とうつ病寛解率への影響


うつ病と診断されている1,944人(平均48歳、491人が女性)が研究の対象となりました。


対象者を(1)薬物選択前に遺伝薬理学的検査の結果を担当医に伝えるグループと(2) 結果を待たずに治療を開始するグループにランダムに振り分け、副作用の発生や寛解率について調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・予測された副作用が起こらなかった割合は、薬剤選択前に検査結果を伝えたグループの方が低下していました(伝えた場合45% vs 伝えなかった場合18%)。


・治療開始から12ヶ月時点の寛解率(症状が大きく改善した割合)は、検査結果を伝えたグループで高くなっていました(伝えたグループ16.5% vs 伝えなかったグループ11.2%)。しかし、これは治療開始から24ヶ月時点では差がはっきりしなくなっていました。


要約:『副作用を予測する遺伝子検査の結果を担当医に治療開始前に伝えると、予測されていた副作用の起こる割合が減って、少なくとも短期的な症状改善(寛解率)に効果があるかもしれない』


すべての患者さんに有効かは分かりませんが、副作用を減らして、治療効果を大きくするために役立つ情報であると思われました。


もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

rTMS治療:

YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ


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