軍隊における高い自殺率が問題になっていますが、今回はアメリカ空軍における教育内容の違いにより、希死念慮(自殺願望)やうつ症状等に違いが生じるのか調べた研究をご紹介します。
アメリカ空軍におけるつながり(結束)を重視する自殺予防プログラム
アメリカ空軍の1485人(平均20.9歳、82.3%が男性)を含む215のクラスが研究の対象となりました。
クラスをランダムに異なる教育内容(結束や倫理を重視する自殺予防プログラムとストレス管理)に振り分けて、1ヶ月と6ヶ月後の経過を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①まず1ヶ月後では、結束を重視するプログラムの方が、希死念慮・うつ症状・職業上の問題が低下していました。
②6ヶ月後では、結束を重視するプログラムのうつ症状の軽減が継続していました。
つまり、従来の一般的教育内容よりも、健全なクラスを営むことを重視した人間関係の団結を伝えるプログラムの方が、うつ症状の軽減に有効であることが示されました。
集団的な教育内容を変更することにより、少なくとも一定期間、希死念慮の軽減が得られることが分かりました。
#うつ病
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