頻用される胃薬(プロトンポンプ阻害薬)とアルツハイマー病の関連性
- もりさわメンタルクリニック
- 2022年12月14日
- 読了時間: 2分

比較的良く使用される胃薬であるプロトンポンプ阻害薬(以下、PPIと表記)と認知症リスクとの関連が指摘されてきました。
今回は、PPI処方の時期や期間、大まかな種類も含めて、認知症リスクへの影響を調べた研究をご紹介します。
Associations between proton pump inhibitors and Alzheimer’s disease: A nested case-control study using a Korean nationwide health screening cohort
韓国における研究で、17,225人のアルツハイマー病患者とその4倍の健常者が比較の対象となりました。
ある状態が起きやすくなる傾向のスコアを調整して比較することにより、PPIの服用によるアルツハイマー病発症への影響を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・PPI服用のアルツハイマー病リスクは、現在の服用で1.36倍、過去の服用で1.11倍でした。
・服用日数では、30日未満で1.13倍、30~90日で1.18倍、90日より長期で1.26倍となっていました。
・大まかなPPIの種類(第1世代、第2世代)では明らかな差異は認められませんでした。
要約:『PPIの使用は使用時期や服用期間によってわずかに差があるが、アルツハイマー病発症のリスクを軽度上昇させるかもしれない』
頻用されている有用性の高い薬剤なので、わずかなリスク上昇で服用を中止するのは過剰な反応と思われますが、様々な薬剤でこのような長期使用の影響が生じる可能性が考えられました。
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