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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

食物アレルギーの除外方針による心理的側面への影響

※度々の変更で申し訳ないのですが、2025年1月より更新(送信)頻度を週に1回(日曜日)とさせてください。


◎要約:『食物アレルギーについて対象食物の除外を行っている場合には「不安」等に関連して、心理社会的機能の低下が起こっている場合があるかもしれない』





今回は、子どもの食物アレルギーに対して、対象食物の家庭からの除外を行うか否かによって、除外の実践者(主に母親)の心理社会的機能がどのように影響を受けるのかを調べた研究をご紹介します。


Household Food Allergen Exclusion Practices and Food Allergy-Related Psychosocial Functioning

食物アレルギー抗原除外の家庭内実践と食物アレルギーに関連した心理社会的機能


アメリカとカナダにおける研究で、919例の調査が行われ、主として除外は母親(96.6%)によって行われ、両親の平均年齢は39歳でした。


食物アレルギーの対象食物(少なくとも1種類以上)の家庭からの除外を行う場合と、そうでない場合とで、精神症状の出現等の心理社会的要素を比較しています。


結果として、以下の内容が示されました。


・対象食物として最も多かったのはピーナッツ(67.8%)で、その他、木の実(65.5%)、卵(44.0%)等がありました。


・対象食物の家庭からの除外を行っている場合には、生活の質に関連する尺度が「心配」、「不安」、「自己有用感」の点で、(除外を行っていない場合よりも)悪化していました。


・対象食物の家庭からの除外を行っている場合には、両親の「不安」の尺度が高く、これらの傾向は異なる年代で一貫していました。



安全性を重視した場合には、(偶発的な摂取を避けるため)できるだけ対象食物の家庭からの除外を行うべきであるということは(摂取の可能性を減少できるという点で)正しいと思われます。可能な限り、心理社会的機能への影響を軽減できるような実践に関するガイドが必要であると感じる内容でした。


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