
体脂肪の増加が認知能力低下の危険因子になり得ることが指摘されてきました。
今回は、特に骨格筋に沈着した脂肪(以下、筋肉脂肪)について、認知症リスクとの関連を調べた研究をご紹介します。
Increase of skeltal muscular adiposity and cognitive decline in a biracial cohort of older men and women
2人種の男女における筋肉脂肪の増加と認知能力低下
69~79歳の1634人(女性48%、黒人35%)が対象となりました。
一定期間ごとに画像検査で筋肉脂肪と、心理検査で認知機能を調べ、10年間の経過を観察しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・全体として、大腿部の筋肉脂肪が4.85cm2(1~6年)増加し、認知機能の尺度(MMSE)が3.20ポイント低下していました。
・筋肉脂肪と認知機能の低下は関連を示しており、筋肉脂肪4.85cm2の増加は、認知機能尺(MMSE)の3.60ポイント低下に相当していました。
・特に筋肉脂肪が多いと言われる黒人女性においては、筋肉脂肪と認知機能の相互作用において白人との差異は明らかではありませんでした。
要約:『筋肉脂肪が(他の随伴する要素を調整した後でも)認知機能低下の危険因子となっている可能性がある』
脂肪沈着の中でも、筋肉脂肪に着目する意義を感じる結果となっていました。
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