PTSDを発症した場合には、後の認知症リスクが高くなるのではないかという指摘があります。
今回は、比較的規模の大きな集団を対象として、PTSDと認知能力低下との関連を調べた研究をご紹介します。
Association of Posttraumatic Stress Disorder With Accelerated Cognitive Decline in Middle-aged Women
看護師を対象としたNurses’ Health Study IIという調査のデータを元にしており、12,270人(研究開始時点で平均61.1歳)を参加者として含んでいます。
経過を追うかたちで、少なくとも2年おきに認知能力検査を行い、PTSD症状と認知能力との関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・PTSD症状の数が多いほど、認知能力低下の経過が悪化していました。
・特にPTSDの症状6種類以上ある場合には学習や記憶、処理速度、注意において低下が目立ちました。
・合併するうつ症状等について調整すると、影響は弱くなっていましたが、それでもPTSDと認知能力低下との関連は一貫していました。
要約:『PTSD症状が多いと、認知能力低下が早期に出現する可能性が高くなる』
PTSDの治療を行う上で、長期的な認知能力の経過にも注意が必要かもしれません。
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